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No.94 システムの性能を向上させるために,スケールアウトが適しているシステムはどれか。
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サーバの処理能力を向上させる施策には「スケールアップ」と「スケールアウト」という2つのアプローチに大別されます。
スケールアップ
サーバを構成する各処理装置をより性能の高いものに交換したり、プロセッサの数などを増やすことでサーバ当たりの処理能力を向上させる。追加・削除・更新処理が頻繁に発生するなど、並列実行による負荷分散が困難なシステムに適している。
スケールアウト
接続されるサーバの台数を増やすことでサーバシステム全体としての処理能力や可用性を向上させる。同等の性能アップであればスケールアップよりも低コストであることが多い。
更新処理(追加と削除も含む)を伴う機能を複数のサーバに負荷分散すると、整合性維持のための処理や排他制御による遅延が生じ、効果的な性能向上に繋がりません。このため更新処理がメインのシステムにはスケールアウトは不向きです。スケールアウトが適するのは、更新処理の整合性要件が緩い、かつ、個々に独立し並列実行が可能な処理を扱うシステムです。
  • 一連の大きな処理を一括して実行しなければならないので,並列処理が困難な処理が中心のシステム
    並列処理が困難なのでスケールアウトは適しません。
  • 参照系のトランザクションが多いので,複数のサーバで分散処理を行っているシステム
    正しい。参照系がメインであり、現状でも並列処理を行っているので、スケールアウトでの性能向上が適しています。
  • データを追加するトランザクションが多いので,データの整合性を取るためのオーバヘッドを小さくしなければならないシステム
    整合性維持の処理を少なくしたいのでスケールアウトは適しません。
  • 同一のマスタデータベースがシステム内に複数配置されているので,マスタを更新する際にはデータベース間で整合性を保持しなければならないシステム
    整合性維持が困難なのでスケールアウトは適しません。
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